ディフェンスを意識した3時間 2日目午前のテーマはディフェンス。「午前練習の間、ディフェンスを意識し続けよう。たった一瞬なら誰でも出来る。3時間常に意識すること」と担当の高橋コーチから指示があった。この意識は、例えば踏み出す前に飛んだり1歩下がったりしてしまう“ムダ足”の削減につながる。バスケットは0.1秒を争うスポーツであり、そのムダ足1つで結果が大きく変わっていくのだ。他にも、何のために身体のどの部分を使うのか、どの方向に向かうのか等を状況によって丁寧に指導されていた。これらを全て意識し続けるのは簡単なことではなく、後の1on1や2on2では「声を忘れていない?」「方向付けはそれでよかったかな?」と次々に指摘が飛ぶ。だが、最後には「エンデバーはこの3日間で終わりじゃない。今日できなくても明日できるようにしていこう」と励ましがあった。 リバウンドから走る! 昼食を挟み、午後にもたくさんの重要なポイントが選手たちに伝えられていった。まず、リバウンドに関するメニューでは、平成19年度トップエンデバーも参加した橋本、田渡、富樫選手がお手本となってメンバーをリードしていく。それでも、特にビッグマンにとってはリバウンドはサイズのアドバンテージで取れてきた部分もあり、なかなか力強いプレーが出ない。そこで小池コーチが「中学生レベルのバスケットをするな。君達は世界に行くんだろう」と一喝。すると、疲れも見えていた選手達の顔付きが変わった。午後の後半には、これまでに行ったメニューの総まとめとなる4on4が行われたが、そこでは「走ろう!」と選手同士で声を掛けるなど、早速成長したところを見せていた。 「バスケットは苦しいもの。なぜなら…」 「上を目指すから。1ができたら次は2、その繰り返しだよ」。練習後のミーティングで、小池コーチは選手たちにそう語りかけた。昨年度から引き続きとなる、メンタルトレーニングの研究を重ねている小池コーチからの講義。まず技術面でのポイントについて、さらにバスケットに限らないトップアスリートとしての心構えについてと話が進み、あっという間に1時間が経った。どのテーマにしても押し付けではなく、それを実行するとどんなメリットがあるかを明確にして選手自身のやる気を引き出すようなプログラムだった。「夢を語る人は多いが、夢に向かって努力する人は少ない」。胸に深く刻まれただろう。 天田正弘コーチのコメント 今回、私は1日目の午後の練習を受け持ちましたが、テーマはなぜそうするのか?を選手自身にわかってもらうということでした。中でも直接視野・間接視野が最も重要で、たくさんのことをやるよりも1つの大事なことが選手を通して各ブロックに伝わってくれればと思いながらやりました。選手達は、最初は問い掛けに答えられなかったですが、練習をやっていくうちに確認できていたと思います。ただ、それを受けての2日目の練習を見ると、まだ定着まではいかないと言わざるを得ません。特にゲームになると、目の前に相手だけを見てしまいがちでしたし、勝負は状況判断の積み重ねであるということも常には意識できていませんでした。この視野と状況判断については、これからも繰り返し取り組んで会得してほしいですし、それを通して各ブロックエンデバーに浸透してほしいと思います。
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