次に生かすためのゲーム 合宿しめくくりのメニューとして、4チームに分かれての紅白戦とU-16男子日本代表とのゲームを行った。5点先取の紅白戦では、2チームが2勝1敗、もう2チームが1勝2敗と互角の結果となったが、これはどのチームも同じ課題を抱えていたためだ。小池コーチいわく、「起点が作れていない」。2日目の練習で苦戦していた、空間へのパスや自分で考えて動くというプレーが、試合の中でもやはりなかなか出せないためだ。それはU-16とのゲームでも顕著であり、1試合同点のゲームがあった以外は、ほとんど15点前後取られてこちらは1ゴール決められるかどうかといったところだった。 これにはさすがに、元気なメンバーも声が少なくなっていた。そこで小池コーチは、「U-16のメンバーに何をやられたか、自分たちは何ができなかったのかを意識しよう。そうじゃないとゲームをやってもらった意味がないよ」と語りかけた。合宿はこれで終わるが、U-14メンバーにとってはこれからが新しい始まりとなる。従来のU-15と異なり、まだ所属チームでの練習や試合の機会が残っている立場を存分に生かしてほしい。 再びこの場に戻ってくるために あっという間に迎えた閉講式では、小池コーチから身の引き締まる話があった。「君たちはこれから3つの道に分かれます。1つはU-15エンデバーにもう1度来る人、1つはそれを飛び越してU-16日本代表に選ばれる人、そしてもう1つはもうここに来ない人です」。続けて高橋コーチ・北本コーチ、ブロックエンデバーコーチたちから、もう1度この場に来るためには何が必要かが補足される。それは、“基本的なことをきちんと理解して徹底する”こと。U-16の富樫英樹コーチからのアドバイスにも重なることだ。エンデバー世代でしかじっくり身に付けられない基本が今後いかに生きてくるか、今回参加したメンバーの今後に注目したい。 <高橋学コーチのコメント> U-16と一緒にゲームができたのは、願ってもいない良い機会でした。選手たちには、チーム分けするときに「最重要ポイントは“ビジョン”と“スペース”だよ」と伝えたのですが、実際やってみると言葉の上ではわかっていることも行動ではなかなかできないなというのが率直な感想です。中には点数の競ったゲームもありましたが、ポイントを守ってやれていたかというとやはり個人のドリブルワークで突破したりといった場面が多かったです。U-16の中学3年生たちはエンデバーや全国大会など様々な経験を通して、いつ何に集中すべきかがわかっていますが、U-14のメンバーは考えないとそれが出てきません。全てにおいて、細かいことがまだ徹底されていないのです。しかし、これが現状なので、今持っている技術だけでは上の世代、その先の世界には通用しないと実感してくれればと十分だと思います。 また、U-14世代は、今回ここに来たメンバー以外にもまだまだ可能性を秘めた選手が全国にいると思います。次回のU-15トップエンデバーにこのメンバーが全員選ばれるかわからないですし、入れ替わりもあって当たり前でしょう。それだけに、今回足を運んでくださったブロックエンデバーコーチの方々には、ここで確認した内容を地域で共有して、徹底してもらえたらと思います。選手たちもこれを機会にコツコツ努力を重ねて、望ましい言動がいい習慣として頭を使わずともすっと出るようになってほしいですし、その姿を上のカテゴリーの合宿にて見せてほしいなと思います。
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