“基本”を本当に意識する3日間 第1回U-15トップエンデバーの季節がやってきた。続々と会場に現れる選手たちは、皆緊張した面持ち。3日間の日程を終えたときにはどんな表情をしているだろうか。開講式では、「U-16日本代表に発展していくためにも、このU-15トップエンデバーでファンダメンタルをしっかり身につけよう」(小池コーチ)、「声出しや挨拶、人の話を聞く態度からしっかりと」(北本コーチ)と、基本でありながら最も難しい“課題”をもらってスタートした。 自信を持てるまで練習をしよう 最重要テーマは“ビジョン”だ。「全ての行動は見ることから始まる」と小池コーチ。早速、視野が重要なドリブルのメニューに入り、デモンストレーションのために「ドリブルに自信のある者は前へ!」と呼び掛けた。が、今年度は例年に比べてガードポジションの選手が多いにも関わらず、なかなか足が動かない。これには小池コーチも「なぜ?」と見過ごさなかった。黙ってしまった選手たちに、「自分が世界で1番だと思える練習をしよう!」と呼び掛けるとようやく元気な返事が聞こえた。 スピード・タイミング・責任 続いてはシェービングドリル。チームの一員として仲間を助ける動きであるとともに、パスをもらう前から自分の1on1を始める動きとなる。ポイントはトップスピードで動くこと、パッサーとタイミングを合わせること、そして責任感。最初の2つは、ディフェンスがどんな状況か、ボールをもらった後どんなプレーをするかなど常に頭を使って判断する必要がある。そして最後の責任感というのは、ベンチにいてプレーできないチームメイトに対してのものだ。その気持ち1つ持つだけも、簡単なミス=基礎をないがしろにすることはできない、という感覚が生まれる。 もっと声を! ボールを使った練習とトレーニングとの間の集合にて、北本コーチ・小倉スーパーバイザーから「元気がない!」と注文があった。すると、その後のトレーニングでは徐々に声が出始めた。ずっと集中していた後のトレーニングは苦しいものだが、空元気でも声を掛け合うと雰囲気がぐっとよくなり、最後は拍手で終えることができた。 小池一元コーチのコメント 今年度も例年通り、「ビジョン=見て判断すること」を最重要テーマにしています。あとは強いドリブルができるようなメニューにしました。2・3日目は3対3なども盛り込み、最終的にゲーム形式まで持っていく予定です。なぜなら今年度は、普及・育成に加えて、U-16日本代表にしっかりバトンタッチするというミッションもあるからです。そうするとファンダメンタルに割ける部分が少なくなってしまいますが、今年から始まったU-14トップエンデバーが定着してくれば、U-14〜U-15〜U-16の流れが確立するでしょう。そういう意味でも今年しっかりした流れを作れるよう、基本を確認しながらも次につなげられるように個々の力をつけていきたいと思っています。 課題としては、なかなか声が出ていないことなどがあげられますが、それは私達スタッフ側が引き出せればと思います。目標は“考えるバスケット”をすることなので、見る→判断する→行動するという流れを、教えるだけでなく、気付ける合宿にできれば。その上で新しいことにチャレンジする場にするべく、取り組んでいきます。
|