学生選抜とのゲームで最終チェック エンデバー最終日のこの日は、学生選抜候補との練習ゲームを行うことになった。ゲーム方式はU-18エンデバーと学生選抜候補をそれぞれ4チームに分け、10分(時間止め)×2面7試合(うち大学生同士2試合)。関東1・2部をはじめ5地域の学連を代表する30名の大学生プレーヤーが隣のコートでアップし始めると、エンデバーのメンバーはやはり気になるのかちらちらと視線を送っていた。ただ、その表情はあくまで“ワクワク”であり、笑顔も見られた。吉田コーチらが「どんどんチャレンジすること」と再三伝えていたこともあってか、ゲーム前の心構えはバッチリだった。 しかしゲームがいざ始まると、学生選抜候補はセレクションを兼ねていることもあり激しいディフェンスを展開、エンデバーチームはシュートに持っていけず24秒オーバータイムを続けて取られてしまう。これを打開したのはガード陣。声を出してリーダーシップを発揮し、トランジションの速いバスケットに持ち込むと、フォワード・センター陣も果敢に1on1に挑んでいく。12試合中半分の6試合で30点以上失点を喫したが、1桁差でくらいついたゲームも5つと、最後まで声とアグレッシブさを失わずに2時間走り続けた。この奮闘に、学生選抜の陸川章ヘッドコーチは「特に上級生のメンバーが全く物怖じせずに積極的に向かってきた。サイズもあるし、シュートもノーマークにしたらきっちり決めるし、将来が楽しみです」と感心していた。 U-18エンデバーの“兄貴分” この学生選抜候補には、U-18エンデバーの出身者がズラリ。変わらぬ活躍ぶりに、エンデバーを指導してきた吉田コーチも「ぱっと見て“あぁ、あの選手だな”と思うし、プレースタイルがステップアップしたなと感じる選手もいますね」と表情を緩めた。出身者の1人である西村文男選手(東海大)は“弟たち”を見て、「やってやるぞという気持ちが強く積極的にドライブしてきたし、よくシュートも入っていたと思います。うちも何回かやられている部分があって、うまくなっているなぁ、レベルが上がっているなと思いました」と笑顔だった。 閉講式は次のステップの始まり 全てのメニューを終えたあと、閉講式が行われた。吉田ヘッドコーチは「皆大変よく頑張りました。さすが選ばれたメンバーだなと思います」とねぎらった。今年度のU-18エンデバー活動はここでいったん終了となるが、今年8月のFIBAアジア選手権大会ではこのスタッフ・メンバーが軸となる。「今回の活動を、東アジア予選、そしてFIBAアジアU-18選手権本大会とつなげていきたいと考えています。3月末にU-18日本代表としての合宿を行いますが、そのメンバーはこれから話し合って決めます」と吉田ヘッドコーチ。「君達のバスケットはどんどん伸びているから、今回は惜しくも(選外)というメンバーもいるけれどそれに負けずに次はいいバスケットを表現できるよう頑張って下さい。それから、ここで感じたことをチームに帰って少しでも伝えて、手本となることを願っています」とエールを送った。エンデバーでの“普及・育成”という土台の上には、“強化”というステップが待っている。エンデバー活動の成果がどう表れるか、東アジア予選、FIBAアジアU-18選手権と見守り続けることが大切だと言える。
|