1本ごとに内容がよくなっていったゲーム 平成20年度トップエンデバーの集大成となる最終日のメニューは、10分ゲーム3本のみ。時間は限られていたが、選手達は2日目よりもスムーズにプレーする姿を披露した。ボールやディフェンスの位置、味方とのバランスなど状況によってかわる、たくさんのやるべきことを最初の2日間で行い、はじめは動きがぎこちなくなることもあったが、徐々に対応。うまくいかなかったときはチームメート同士「次はこうしよう」と声を掛け合っていた。「たくさんのことを教えたが、それができるからこそこの15名はここに来ている」と天田コーチは言っていたが、それに見事に応える形となった。 夢を「見る」から「叶える」へ この第2回トップエンデバーでは、印象的な“夢”の話があった。天田コーチは最初に、「小中学生は夢を見るのが仕事ですが、皆さんはその期間の終わりにいます。今度はそれを実現できるよう、皆で協力していきましょう」と話した。また、大平敦・U-16日本代表スーパーバイザーも、「日本語の“夢”にははかないもの、叶わないものというイメージがあるとある本で読みましたが、“夢”とはつかむものだと思います。私にも夢があって、君たち中学生がいつか日の丸をつけ、日本代表として活躍してほしいです。だから今この仕事を頑張っています。皆さんも“夢”をつかむために練習を頑張ってください」という言葉を贈っていた。 平成20年度U-15トップエンデバーのテーマが、第1回の“見る”から第2回は“考える”にステップアップしたように、夢を“見る”エンデバーから夢を“叶える”U-16日本代表に、これまで積み重ねてきたことをつなげなければならない。1ヵ月後の12月、この第2回トップエンデバーのメンバーはU-16日本代表候補メンバーとして再び集まる。8年間続いているエンデバーでの育成活動の成果が、2009年7月に行われるFIBAアジアU-16選手権で発揮されるためには、大平スーパーバイザーのように周囲も夢の実現に向け一緒に頑張ることが重要になるだろう。 高橋学コーチのコメント 第2回トップエンデバーの後半に行ったゲーム形式のメニューを通して、それぞれが「自分のいいところ」を自分で認識できるように声掛けしたつもりです。選手達は不得意なところを克服しようと取り組んでくれていますが、得意なところもきちんと理解してできるようにすることが重要です。その中でチームとしてやらなければいけないことを徹底する。あとは選手達が自分で考えてやれるので、余計なことは言わずにそれだけを伝えました。最後は疲れもあったでしょうが、一生懸命頑張ってくれたと思います。そういったエンデバーでのひたむきな姿は、U-16日本代表になったとき必ず世界に通用するでしょう。 また、この3日間では2つの“難しさ”が見て取れました。1つはコンディション作りの難しさ。身体作りはしてきてくれていると思いますが、夏に全国大会を戦った時のような練習環境をベースにはしてきていません。代が替わったチームで、駆け引きなどの練習をしてくることの難しさを子供たちも感じているでしょう。また、それぞれが自チームとは異なるポジションにコンバートされた中でイメージを合わせる難しさも同様に感じていたと思います。ただ、2つ目については、練習時間以外にも部屋などで選手同士コミュンケーションを取っていたようで、3日間の中でもコンビネーションが良くなっていきました。12月に始まるU-16日本代表の活動でも、合宿を重ねる中で、より強いチームワークが育ってくれればと思います。
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