考える力が要求された第2日目 昨日の第1日目の練習では、第1回トップエンデバーのテーマだった“視野”を再確認するメニューに取り組んだ。第2日目は、さらにそこから1歩進み、“見る”ことで得た味方と相手の状況から“考える”ことが求められた。練習中、常に「ここでボールをもらったらどうする?そうしたら逆サイドはどう動く?」というように、コーチからの問い掛けが次々に飛ぶ。選手たちは一時頭がいっぱいになってしまっていたが、ここで天田コーチから印象的な言葉があった。「何でもありだよ」。そのプレーに意味があれば、コーチの言ったとおりの動きでなくてもいいというわけだ。 また、4人1組のトランジションで、ガードが運びながら「2on1!」「3on3!」と声を掛け、他の3人は瞬時にその状況に合わせるというメニューがあった。なかなかかみ合わないことが多かったが、ゆっくりリプレイすると大体うまくいく。その理由を小池コーチはこう説明した。「ガードがコールしてから判断するのでは遅いんです」。つまり、「2on1」と言われてから2on1をイメージするのではなく、あらかじめ2on1をはじめとした様々な状況を想定しておき、ガードのコール=状況によって適したプレーを選択することができるような“創造性”を養うのが目的なのだ。これを受けて、4on4や5on5のメニューでは、コミュニケーションを取りながら互いのイメージを近づけようとする選手達の姿が見られた。 SAKURA DININGレポートその2 ナショナルトレーニングセンターのアスリート・ヴィレッジにある食堂「SAKURA DINING」。女子の第1回トップエンデバーの際にもお伝えしたが、男子も第2回トップエンデバーになってこの食堂にデビューした。写真撮影は不可なので、食堂といっても本当に選ばれたメンバーしか目にすることができない場所だ。第1回の昼食はお弁当だったが、「SAKURA DINING」はビュッフェスタイルということで、食べ盛りのメンバーは様々なメニューをトレーに載せ、「美味しいです!」と大満足の様子だった。 小池一元コーチのコメント 2日目のテーマは「トランジション」でした。日本は高さの不利を空間の有利に置き換えなければならないので、0コンマ何秒のレベルでいかに相手より早くスタートするか、どこでアウトナンバーを作るかが重要になります。そこで、2on1ではシュートを打った選手が次のディフェンスを行うなど、切り替えの早さを意識しました。 また、ディフェンスなしのメニューが多いのは、バスケットは考えることが必要なスポーツだからです。我々がやろうとしていること、日本が目指している形を子供たちもイメージできないと能力だけでやってしまうので、それを伝えていく。かつ、ああしろこうしろではなく選手自身がクリエイティブにプレーできるように練習を組み立てました。正解は1つではないんです。前回のテーマは“視野”、見ることでしたが、今回は見て判断することにステップアップしています。エンデバーのまとめとして、合宿の後半ではゲームに取り組みますが、トランジションとスペースを意識して、無駄のない動作でシュートまで持って行けるよう導きたいと思います。
|