タイミングを読み、予備動作をしない 2日目は午前・午後の2部練習となり、最も学ぶことの多い1日。「今日も練習頑張っていこう!」という元気な掛け声でスタートした。まずは1日目の復習も兼ねてシェービングドリル。ビジョンなどの重要ポイントはメンバー同士でも指摘し合って意識している様子だった。そこから発展して、敵・味方それぞれとの間合いを的確にとること、そして無駄な動きをなくすことの2点がさらなる重要ポイントとして強調された。 例えば、ボールをもらいに走り出す前に1つ小さなジャンプをすることが習慣になっていると、それで1テンポ遅れてしまい、ディフェンスにもこれから動き出すとわかってしまう。癖になって無意識にやっている選手もいたが、U-14世代なら今から意識すれば十分に改善できる。新しい経験を身に付けるとともに、よくない習慣を直すことで、正確なプレーに近付いていくのだ。 遠い存在?それとも近い存在? わずかカーテン1枚隔てた隣のコートでは、U-16男子日本代表候補が“強化”の合宿を行っていた。“育成”の場であるU-14エンデバーとはやはり異なり、ピリピリとした空気も漂う。「最初は怖いと思った」と言っていたU-14メンバーもいた。しかし、持久力を測るマルチステージテストを合同で行った際は、互角の回数を走ってみせた。フィジカルスタッフから伝えられる目標値を毎年なかなか超えられないできたが、今年度は2人が150回超えを達成。最も持久力が伸びると言われるU-14世代の可能性を見せてくれた。 自分で考えるプレーを! 午後の練習で最も時間を割いたのはタイミングドリル。パスをした後どのように動いたらよいか数通り考えて、味方とタイミングを合わせながらスピードを落とさずに繰り返す練習だ。元気がいいメンバーが多いため動きの案はたくさん出るのだが、なかなか流れのあるプレーにつながらない。そこで小池コーチから「パスは人ではなく空間にしよう」「ディフェンスの動きをイメージして」とアドバイスが送られたが、メンバー達は大苦戦。感覚に尽きるためコツをつかむのは難しかったかもしれない。だが、この日意識し続けたことで、選手たちの中のさらなる成長へ向けた種子が目を覚ましたはずだ。 <北本真司コーチのコメント> 今年度は、日によってメインコーチを交代するのではなく常に小池コーチとし、高橋コーチと私はそれをフォローする形で取り組んでいます。それで少し余裕ができて、ブロックエンデバー推薦コーチの皆さんから質問を受けやすくなり、小池コーチの意図を通訳できるようになりました。スタッフ同士よく協力して進められているのではないかなと思います。 また、選手たちは今まで見てきた中でも明るくて頑張るメンバーが多いです。反応がいいので私達としてもやりやすいですし、元気がある世代はゴールデン世代になっていくと聞いているのでその可能性を秘めた世代と言えるでしょう。ただ、元気のいい返事は裏を返せば、ただ「ハイ!」と言っているだけで自分で考えられていない場合もあります。よって、この元気のよさを生かしながら、自ら考えて本当に理解したうえで「ハイ」と言えるように導いていけば、すごく伸びるのではないかと楽しみに思っています。
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