これからが始まり 10月に行われた「第1回トップエンデバー」から約1ケ月強。今年度2回目の「男子トップエンデバー」が味の素ナショナルトレーニングセンターで始まった。練習に先立ち、開講式で小倉恭志スーパーバイザーが挨拶。「U-16日本代表候補(第1回トップエンデバー後に選ばれた、今回のメンバーと同年代の選手たち)に選ばれなかったからといって、彼らが上だというわけではありません。レベル的にはそれほど変わらないんです」と気になる違いをしっかりと否定。そのうえで「今回の3日間で、自分の課題を見つけて、それらを改善する方法を1つでも見つけて、今後に生かしてほしい」とエールを送った。この3日間をどう過ごすかで、彼らのチャンスは大きくも、小さくもなるわけだ。 体づくりの基本は毎日の生活から 今回、ウォーミングアップ等、選手にフィジカルやケアを担当してくれるのが、星川精豪トレーナー。練習前から「厳しく行きますよ」と公言していたとおり、ウォーミングアップの最後は2往復半のダッシュを計7本。3年生のみならず、現役の2年生もヘトヘトになるほど。その星川トレーナーの、今回のメンバーの初見は「パッと見もそうですが、みんな体重が軽いのが気になります。まだ食事は見ていませんが、おそらく好き嫌いが多いのでしょう。好き嫌いをしない、ご飯をしっかり食べる、体重を毎日計る、これらのことをするだけでも、おのずと体は変わってくるものなのです」。実際の夕食の場面でも食の細かったメンバーたち。バスケットだけではなく、食生活でも意識を変えることができるかが彼ら中学生の課題なのかもしれない。 常にチャレンジ! 小池一元コーチの指導のもと行われた初日の練習メニューは、ドリブルドリルとシェービングドリルが大半を占めた。といっても、単なる基本練習の繰り返しではなく、特にドリブルドリルは相手とコンタクトをしながらおこなうものだった。お尻でパートナーと押し合いながらおこなうツーボールドリブルや、体を当てながら、ドリブルを相手から遠いところで突くドリブルなど。小池コーチは「こういった基本的な練習を面倒くさい、かったるいと思ったら、人は停滞する。停滞ならまだいい。後退する人もいる。うまい人はいつも、自分が休んでいるときに、日本のどこかで、世界のどこかでうまくなりたいと思って練習している人がいると思って、練習をしているものだ」と発破をかける。うまくなりたいと思っている選手たちだけに、その説明を聞く目も真剣そのものだった。 小池一元コーチのコメント 最初に「積極性を持って練習に臨みましょう」と言ったのですが、今日は元気がなかったのが気になりました。もっとアグレッシブにやってほしいというのが正直なところです。今回の合宿では、以前から続いている「ビジョン」に加えて、見たところから判断をするという次のステップに入りました。たとえばシェービングドリルでもディフェンスをつけてみましたし、ドリブルからの合わせなどもそうです。 さらには特別なことではありませんが、「コンタクト」を意識させようと考えています。この世代で、ボディコンタクトから逃げないで、ぶつかり合いに耐えられる体を作ってほしいという思いがあるからなんです。もちろん今までもスクリーンアウトなどではやってきましたが、ボール運びやスクリーンプレイなどでも弾き飛ばされるケースが多かったし、それはA代表では当たり前のことなので、中学生のうちから「バスケットはルールのある格闘技」だという意識付けをしたいのです。 明日はディフェンスとトランジションの練習になります。我々の目指している、1ミリ、2ミリの世界、あるいは1秒、2秒といった細かい単位の積み重ねが大きな力になると我々は信じているので、世界と戦うために、1ミリ、1秒にこだわるような練習をしていきたい。1歩早く動きだすだとか、無駄をしないとかにこだわって、基本的な部分ですが、気持ちから作っていきたいと思います。
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