エンデバーの浸透を示す基礎の充実。 2日目の今日も基礎的な練習が中心となった。ウォーミングアップに続いておこなわれたドリブルハンドリングは、その数なんと12種類。鷲野コーチが「基本ができていれば、すぐにできる」と言っていたが、その言葉どおり、多くの選手たちはそれらのドリブルをスムーズにおこなっていた。これは基礎の充実を表すものであり、エンデバーのメニューが全国に広がっている証拠と言っていい。ただし、まだまだ顔を上げていなかったり、ドリブルが弱かったりする選手も多く、鈴木知香子コーチから「顔を上げて!」、「ドリブルを強く!」という声が何度もかけられていた。もう一歩だ。 考え方を知ることが、未来につながる。 午前、午後を通じて、「フィギュアエイト」と呼ばれる動きを使った、状況判断の練習がおこなわれた。例年だと15名に絞った第2回トップエンデバーでおこなわれるメニューである。そのことからも、今年のメンバーの基礎が充実していることがわかる。この練習は、一定の形に沿って、規則的にボールを展開させるものと思われがちだが、実はボールをもらった瞬間に、素早く、的確な状況判断をして、ノーマークの味方にパスを出すことを身につける練習なのだ。 「練習では型どおりに動きますが、あくまでも『的確に状況判断をする』という考え方を知るための型です。考え方を知っていれば、今はできなくても、いつか的確な状況判断ができるようになるのです」と鷲野コーチは言う。「今はできなくても、考え方を知っていれば、いつかできるようになる」。これがまさに「個を伸ばす」ためのエンデバーの真髄なのである。 鈴木知香子コーチのコメント 例年に比べて180センチオーバーの選手が少なく、小さい選手が多い気がします。その分、技術的には高いと思いますし、大きい選手たちも、こちらが言って、意識をすればすぐにできるので、ファンダメンタルが浸透してきているように感じます。また全国大会に出ていたチームから選ばれている選手も多く、今までよりも「最近まで現役でやっていた」分、体が動いているなという印象もあります。さらには、昨年から選ばれている選手が声などを出して練習を引っ張っているし、「同年代では自分が引っ張っていかなければいけない」という自覚を持ってくれている選手もいます。そういったこともあり、昨日も今日も例年に比べて練習内容が早く進んでいるように感じます。 とはいえ、2日間練習を見てきて、実践の中でU-15トップエンデバーの「重点技術項目」であるパワースタンスやボールポジションができている子と、ドリルの中で意識をすればできるんだけど、実践になるとボールをなくす選手がいます。すぐに習慣化させることは難しいのですが、選手たちが「あぁ、こうしておけばいいんだな」と思ってもらえるように、明日半日、みんなに声をかけていこうと思います。
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