的確な状況判断のための判断材料 午前と午後の2回行われた2日目の練習は、午前にディフェンスの基本の動きの確認。午後からは速攻の分解練習と第1回合宿でも行われた「フィギュアエイト」の動きを時間をかけて行った。速攻やディフェンスはチームによってそれぞれの考え方がある。エンデバーはチームではないので、こうでなければいけないということではない。ただ、これらの動き方を知っておくことで、様々な状況に対応できるようになる。エンデバーでは、あらゆる場面に対して選手が的確な状況判断ができるようになることを目的としている。 大きくて動ける選手に トップエンデバーには全国から選りすぐられた選手が集められている。日本の未来を背負う選手達となると必然的にサイズも大きくなってくる。そうするとここではセンターがフォワードに、フォワードがガードをすることもよくある。ドリブル・ハンドリング等はもちろん、ポジション別での動きなど、慣れない選手にとっては頭に「?」が浮かぶことがよくある。そんな時に鷲野コーチから「わかったふりをするな!なぜそのポジションをやらせてもらっているか意識しなさい」と檄が飛ぶ。サイズでは世界との差が否めない日本。その差を少しでも埋めるべく、選手達には大きな期待がかかっている。 基礎を学ぶチャンスは最後 この第2回の合宿はセレクションが行われるわけではないので、緊迫感というよりも和やかな雰囲気で行われている。選手から笑顔が出ることも多いが、逆に集中が切れて叱られる事もしばしば。「これから先のカテゴリーではすぐにセレクションが行われる。こうやって基礎を学ぶチャンスは今しかない」(鷲野コーチ)。選手達がどれだけ意識をして練習するか、これから先は意識の量によって差が出てくる。 <五十嵐克之コーチのコメント> U-16の強化とは違う意味で、エンデバーは底辺の拡大、裾野を広げることが役目なので、この合宿でもファンダメンタルの習得を徹底しています。今すぐに国際舞台で活躍できない子でも、将来性のある選手に基本を身に付けさせることが狙いなので、そういうメンバーを選んでいます。彼女達は自分の県や地域に帰ればどうしても能力でやれてしまうところがあります。能力で勝っていればいいのですが、世界を相手にした場合、日本人は能力では劣ってしまいます。なので、能力でカバーできない時に、視野を確保し、正確に状況判断をして動くことができるようにすることを徹底しています。
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