ディフェンスで1番大事なものは「気持ち」 2日目の午前中の練習は、天田コーチのもとディフェンスを基本の姿勢から確認した。ディフェンス姿勢では手と足の役割が違い、別々に動かさなくてはならない。だがこれが難しく、ぎこちなくなってしまう選手も。さらに相手と一定の距離を保ったり(ワン・アーム・アウェイ)、相手が進むコースを考えたりと様々な要素があった。まとめとして、やったばかりの動きを使ってみようとボールなしのコースチェックを行なったが、ここで天田コーチが「基本ももちろん大事だけれど、ディフェンスで1番大事なのは“この相手には抜かれない!”という気持ちなんだ」と一言。すると選手達の動きが見違えるように引き締まった。 続いて、相手がパスを受ける際のディフェンスを確認した。その締めくくりに、4つに分けたグループの代表による1on1大会が行なわれた。結果は、同じグループのメンバーから“哲朗”コールを受けていた平野選手がチャンピオンとなった。 しばしの休憩… 午前練習の後は、2時間半の昼休みがあった。昼食を済ませてもまだ時間に余裕がある。ロビーのソファでは、いつのまにか横になって睡眠時間を補う何人かのコーチの姿があった。コーチ陣は顔を合わせればバスケットの議論が尽きない人ばかりなうえ、今朝のコンディショニングは6:30スタート。体育館でも何人かの選手が長椅子の上で横になって体力回復を図っており、貴重なリフレッシュタイムとなった。 身長差47cmの2人 午後の練習のテーマは「リバウンド」。わかりやすく説明するため、岡部選手(202cm)と富樫選手(155cm)という最もある身長差のある2人を並べた小池コーチ。「同じ条件ならサイズのある方が有利。でもボールの近くやボールが落ちてきそうなサイドを自分の空間にすれば取れる」と、今後世界と対戦するときにも生きる考え方を伝授していた。さらに、リバウンドからのパス、さらにそこからシュートまでの展開で、「無駄な動きをなくす」メニューを徹底的に行なった。最後に応用編として5on5を行い、2日目の練習を終えた。 ミーティングでも成長! 昨夜のミーティングでは、“プレー技術の理解”、“生活とバスケットのつながり”、“心構え”をテーマに小池コーチから1時間ほどの講義があった。当初は30分ほどの予定だったというが、「選手たちの学ぼうという姿勢が素晴らしく、ずっと目をそらさず集中していた」ため伝えたいことが増えていったという。「練習中、わからなければ“ハイ!”と言わないこと。ここでそれをやったら、正しくないバスケットを全国各地に持ち帰ることになる」といった内容を受け、この日の練習では早速コーチのところに質問に行ったり、説明中にわからないと挙手する選手たちの姿が見られた。 異色のMVP選手 このU-15トップエンデバーに参加している30人はもちろん有望な選手ばかり。その中の1人、2007年度のジュニアオールスターMVPにも輝いた皆川選手は、なんとテコンドーで世界ジュニア大会に出場した経験を持っている。しかし、「今はもう引退しました」とのこと。その理由とは? 「テコンドーは自分だけが頑張ればいいのに対して、バスケットにはチームワークの面白さと難しさがあるのがわかってきたんです。それに、こうしてうまい人が集まって皆で合宿することも楽しいなと思ったので、バスケットを選びました。これからバスケットでも、世界やアジアに挑戦できたらなと考えています」
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