試合を常に想定して 1日目はハーフコートのメニューが中心だったが、この2日目の午前はオールコートのメニューがメインとなった。3メンではわざとシュートを外し、後ろから来た選手がタップやリバウンドシュートでフォローする練習も。「実戦では必ず大きい選手が追いかけてきてブロックを狙っているからね」と吉田コーチ。続く2on1でも、「相手はリーチが長いから、2人の距離を詰め過ぎないように」と指示が飛んだ。休憩を挟んだ後の3on3では、負けチームは腕立てのペナルティーがつくため白熱。相手の裏をかき、自チームの強みを生かそうと奮闘していた。メンバーを入れ替えながら行い、2時間半があっという間に過ぎた。 楽しみな食事タイム 食事は好きなものを選べるバイキング形式となっており、選手のトレーにはカレーライスに天ぷらそばに…とどっさり。コーチ陣も「迷うねぇ」と楽しそうだった。3日間の練習のうち、この日だけが午前・午後の2部練習だったが、昼食のあと午後の練習までは少し部屋で休養できる時間があった。こちらも新しい宿泊棟の感想を聞くと、「“トップ選手しか使えない施設”と伺いましたが…すごいなって(笑)。自分達が“勝ち取った”部分と言えるのかなと思いました」(高橋選手)とのことだった。 午後はひたすらゲーム 午後はシューティングと3メンで身体を温めた後、いよいよゲーム形式の練習に入った。はじめに吉田コーチが「ポジションは特に決めていないからできるプレーは何でもやって構わないし、リーダーも決めていないから誰がリーダーシップを取ってもいい。どんな方向性を持ってプレーしているか、チームを引っ張れるのは誰かというのを見ていきます。トライしての失敗なのか、トライしない失敗なのかは私達には分かるからね」と言うと、メンバーの顔つきがより引き締まった。6チームに分かれ、コート2面を使ってまず7分ゲームを6試合。休憩を挟み、メンバーを入れ替えて7分ゲームを3試合の計18ゲームを行った。コーチ陣がチェックの目を光らせる中、両チームとも10点前後のロースコアゲームあり、7分で20点以上たたき出すゲームあり。接戦もあれば大差のゲームもあったが、どのチームも勝ったり負けたりだった。組み合わせやチームメートによって1人1人の長所・課題が浮き出しにされたと言えるだろう。 最終日に向けて クールダウンを終えると、吉田コーチから明日の学生選抜(大学生)との練習ゲームに向けての心構えが伝授された。「せっかく大学生とやれるチャンスと思って、怖気づかずに果敢にチャレンジすること。相手にやられてしまったとしても、君達の力でやれることはやる。世界では17歳、18歳から各国代表に入る選手が出てきます。ここからは“年が下だから”という甘えを捨てて、対等に渡り合える力をつけなければいけません」。昨年末のU-15トップエンデバーで高校生との練習ゲームを行ったときは苦戦していたが、そこから経験が上積みされたU-18トップエンデバーは大学生に対しどんなゲームを見せるのか―? 玉井剛コーチのコメント 昨日の練習でハーフコートでのセットオフェンスの分解を行ったので、今日はまず午前にトランジション(オールコート)で動きを作って得点することをテーマに4on4まで人数を増やしていきました。その時はきちんと動けていたのですが、午後のゲームになるとまだまだ止まってしまっていましたね。吉田ヘッドコーチが言っているような“人とボールを動かす中で隙を見つけて得点するバスケット”を全員ができるように今後も育成していかなければいけません。合宿最終日の明日は、大学生と練習ゲームを行います。線の細い選手はインサイドに入ったとき体がぶれてしまいがちですが、男子は中国、さらに女子と違い中東の国々ともやっていくので、技術的なことももちろんですがフィジカルの強さが必要になる。明日、身体の強い大学生とやることで、その辺りも見極めていきたいと思います。
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