平成19年度女子U-18トップエンデバー、スタート ケガのため1人が欠席、今日が卒業式だという中学生の2人が開講式には間に合わなかったが、それ以外の28人は元気に開講式を迎えた。一色建志コーチから「この合宿は選考合宿やぞ!」といきなり言われた選手たちだったが、その意味合いを十分に理解して、この合宿に参加していたのだろう、驚く様子もなく、その言葉を受け取っていた。高校生になると、U-18トップエンデバーに選ばれるとはどういうことなのかを理解していて、いい意味での緊張感を持ちながら、それでいてリラックスした様子で合宿初日をスタートさせた。 各チームのエースクラスが鎬を削る! ウォーミングアップが終わると、すぐにガード、フォワードによる「アウトサイド陣」と、センターによる「インサイド陣」に分かれて練習が進んでいった。4つ目まではどちらも同じ内容の練習だったが、「短い距離での1対1」からは、それぞれ求められるものが違ってきた。クイックネスでディフェンスを切り裂く力を要求されるアウトサイド陣と、パワーで押し込みながらも、一瞬のテクニックも要求されるインサイド陣。どの選手も自分のチームではエースクラスだが、ここではほぼ横一線である。コート上での表情が徐々に真剣になっていった。 井上講座も開講! U-18の元ヘッドコーチである、愛知・桜花学園高校の井上眞一先生もサポートスタッフとしてこの合宿に参加している。そこで世界をよく知る井上先生が、インサイドプレイヤーの守り方を特別指導。「ボディコンタクトをしっかり!」「ボールから目を離すな」「手の平はボールマンに向けて」「コンタクトする腕の向きは縦じゃなくて横だ」など細かく指導していき、日本の弱点でもあるインサイドプレイヤーのサイズの小ささへの対策を、文字通り高校女子バスケット界を挙げて、取り組んでいた。 U-15組から5人が参加! 昨年10月と、今年の1月に行われた「U-15女子トップエンデバー」からも5人の中学3年生(今春から高校生)が、「U-18女子トップエンデバー」に参加した。かなり緊張した様子だったが、1対1、2対2、3対3と練習を重ねていくごとに、U-15で取り組んだ練習の成果が現れていた。「U-15女子トップエンデバー」の福田精スーバーバイザーも、鷲野鋭久コーチも目を細めながら見ていた。その一方で「このU-18の大半がU-15出身です」(福田スーパーバイザー)というように、日本バスケットボール協会が推し進める一貫指導システムが軌道に乗っていることも示す合宿初日だった。 一色建志コーチのコメント 今回の合宿の位置づけは、11月にインドネシアで行われる「FIBAアジアU-18女子選手権大会」のメンバー選考です。前回のメンバーに加えて、新たに約15人を入れました。つまりこの合宿が次に絞り込んでいく第一段階というわけです。 海外の選手に勝つには、7,8人だけではなく、ベンチの誰が出て行っても同じように戦える選手層が必要になってきます。そういう意味では日本人にはうまさもありますが、今回はそれよりも体の当たりの強さや、切れ味の鋭さといった面で、この30人の選手がどれだけ持っているのかを見極めたいと考えています。 その2点、つまり当たりの面でも、切れ味の面でもバランスよく補充できて、良くも悪くもいろんな発見ができた初日でした。短い期間ですので、基礎能力を見極めながら、技術的な部分は各チームに持ち帰ってもらうしかない。そしてもう一度集まったときに、それをまとめあげていくのが我々の仕事だと思っています。 最終日に、技術的な課題を選手たちに伝えて、また次に集まったときは組織的な練習をしていきたいと思います。
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