日本の武器・速攻に磨きをかける 2日目の午前は30分間のウォーミングアップメニューを終えると、そこから1時間みっちり、速攻のパターン練習が行った。アジアを含めた世界の国々と対戦し、勝利を得るためには、速攻は日本にとって欠かせない武器である。しかし、当然、相手はそれを警戒してくるはず。だからこそ、リバウンドを取るときの体の向き、相手がパスを出させないようにしたときの次の展開を用意しておく。まだまだ不慣れなため、U-18といえどもすぐにはマスターできるはずもないが、それでも選手たちは徐々に感覚を掴んできたようだった。 タナカ越えならず… 午前中、最後の練習メニューは恒例の「コート5往復ダッシュ」。ガード、フォワード、センターとポジション別でのダッシュだったが、本日の最高はガード組の選手が出した55秒。歴代のU-18メンバーの最高記録は、現在JOMOサンフラワーズで活躍している田中利佳選手が出した52秒。8年前の記録、いまだ破られず… 狙いに沿ったゲームを展開 午後の練習は、メンバーを4チームに分け、8分間のゲームが中心となった。一色コーチからは「昨日と今日の午前にやったことをすべて出すのは難しいと思う。でもそれらを心がけてプレイしよう」と声がかかる。そしてポイントとして、「アウトサイド陣はドライブも大事だけど、外角のシュートを見ます。インサイド陣は当たりの強さを見ます」とキッパリ。選考基準を明確にすることで、選手たちの意識をより高く持たせようとしていた。果たして、ゲームではドライブも多々見られたが、意識してアウトサイドのシュートを打っている選手や、チャージングになりながらもインサイドで当たっていく選手が見られた。自分の持ち味を出せた選手、出せなかった選手はいたものの、十分に迫力のあるゲームだった。 西尾育成部長がメンバーを激励! 練習終了後、西尾末広育成部長が選手たちを激励した。「みなさんは県やブロックのエンデバーを通じて出てきた選手たちですから、そのことについては敬意を表したいと思います。選ばれてくるだけでもすごく意味の大きなことなんです。今回の合宿はトップエンデバーではありますが、U-18日本代表にもつながっている強化活動でもあります。メンバーに残るという強い気持ちを持ってプレイしてください。ここにいるコーチングスタッフの方々は、みなさんの頑張りを無にしない方々ですし、女子にはチャンスがあることを十分にわかっています。明日の最終日まで一生懸命頑張ってください」 講武達雄スーパーバイザーのコメント 毎年感じることですが、背の大きさも、バスケットの技術もどんどんレベルアップしていて、いい選手が多いと思います。そういう意味ではエンデバープロジェクトが形になってきていると感じます。ただU-18のスタッフとして見た場合には、これでアジアを勝ち抜く、世界を勝ち抜くっていう視点で見ると、まだ足りないものがたくさんあります。海外で戦うためには「うまさ」よりも「強さ」がないとダメなんです。「強さ」というのは「体の強さ」「プレイの強さ」「心の強さ」であって、そのどれもがまだまだ足りていないと思います。ステップアップはしているけど、今はまだ前進中で、もっともっと改善していかないといけない。ただ本当に言えるのは、選手の質は年々向上しています。さらによくするためには、日本バスケットボール協会や我々スタッフの見識がより重要になってくると思います。昨年、U-19の世界選手権に行きましたが、スペインチームの190センチの選手は、日本のガード並みにボールハンドリングやボディコントロールがよくて、しかもウォーミングアップでダンクをするんです。それが世界の現状です。そういった世界で当たり前になっているレベルに日本の選手を引き上げるのが我々の仕事だと思っているので、これからも頑張っていきたいと思っています。
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