「エンデバー=育成」の姿勢を忘れない 最終日の今日は、新潟経営大学との練習ゲーム。それでも鷲野コーチからは「試合前だけど、U-15トップエンデバーのドリルをしっかりやっていくぞ」と声がかけられた。しかし、選手たちは昨日の高校生とのゲームの手応えや、自分の反省点を今日のゲームでぶつけたいとの気持ちが先走り、練習にいま一つ集中できない。すると再度鷲野コーチから「キミたちがこのドリルをしっかりやらないと強い日本は作れない。そういう姿勢を示しなさい!」との檄が飛んだ。エンデバーは「強化」ではなく、「育成」のプログラム。ゲームが続いた第2回合宿だったが、ゲームの勝敗より、練習した中身を忘れないでほしい。そういう気持ちが伝わる試合前の30分間だった。 随所に見られた合宿の成果 昨日と同じように序盤は硬い動きが目立ったU-15トップエンデバーチーム。しかし、徐々に硬さが取れてくると、攻めるディフェンスで相手のボールをカットしたり、味方の動きや相手の動きをよく見て攻撃するなど、しっかりと練習の成果を出していた。鷲野コーチもベンチから「ミスをしてもいい。ミスしても次だ」と声を出し、選手の積極的な動きを促していく。結果は37-68だったが、選手たちは最後まで挑戦する気持ちを忘れずに戦っていた。 U-15トップエンデバーから、世界を目指そう! 閉講式ではまず福田悦男スーパーバイザーが「この合宿では、良いことも悪いことも含めて、いろんな経験をしたと思います。それらを、自分を育てる肥やしにして、今後に進んでいってほしい」とエールが送られた。福田精・U-16日本代表スーパーバイザーからは「今回は育成の立場はもちろん、強化の立場からもみなさんの活躍を見てきましたが、期待通りの活躍でした。3年生は、これから4月の高校入学までの期間が大事になります。頑張り続けてください」と発破が掛けられる。そして最後に鷲野鋭久コーチからは「終わってみると、もっとみんなに教えたかった。そういう思いです。今、できないことも、このトップエンデバーを通して、大事なことに気がついたみなさんが、強い日本の支えになってくれたら、私は嬉しい。ぜひ次につなげてください」。発掘・育成から強化へ。選手たちはその第一歩を踏み出したのだ。 五十嵐克之コーチのコメント 今回の合宿を見ていて、背の大きい選手がだいぶオールラウンドにプレイできるようになってきたなという感じと、自分のチームではセンターやフォワードなんですが、U-15トップエンデバーでガードをやらせてみても、それに対応する力が少しずつですが、出てきているように感じました。ただゲームになると、まだ背の大きい子は足腰がしっかりしていないところがあって、高校生や大学生に当たり負けをしてしまうところがありました。そうなると、どうしても背の小さい選手が目立ってしまいます。そういう意味では今後の課題として、背の大きい選手の脚作り、当たり負けをしない姿勢を身につけさせることが、我々の課題かなと思いました。 日本が勝つためには、鷲野コーチがおっしゃっているように、いかに「観る」ことも含めて、何を「観る」のか、いつ「観る」のかといったところが大事なると思います。指導者もそうですが、子どもたちも「観る」ことをしっかり学んで、それができるようになれば自分のプレイが変わるんだということに気づいてもらって、日頃の練習で反復してもらいたいと思います。 今回の選手たちは学ぶ姿勢が非常に高くて、吸収しようという気持ちが強かったので、私ももっと彼女たちに教えたいな、離れるのが淋しいなという気持ちが強いです。来年以降どうなるかはわかりませんが、またこういう形でU-15トップエンデバーに関わっていけたらいいなと思いましたし、その素晴らしさをブロックエンデバーや県、自分のチームに持ち帰って、底辺拡大に頑張っていきたいと思っています。
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