2ヶ月半ぶりの再会。変わったところは… 10月の第1回U-15トップエンデバーから約2ヵ月半。第1回に参加した30名の中から選ばれた15名の選手が、東京・国立スポーツ科学センターに再び集まった。15名まで絞ったのは今年が初めてだ。開講式では、「また会えましたね。こうして皆さんを前にすると、前回よりも“自信”が感じられます」と大平スーパーバイザー。第2回のメンバーに名を連ねるということは、クリスマスを家族や友人と過ごせなくなる代わりではないが、“この年代のトッププレーヤー”という名誉を得ることでもある。確かにその自覚がにじみ出ていた。ちなみに、久しぶりに顔を合わせた感想を杉本選手に聞いてみると…「皆、身長が伸びたなぁ」?! 精神的にも身体的にも、伸び盛りのメンバーだった。 人数が少ない分、“声”で盛り上げる! 練習を始める前、天田コーチから「15人しかいないので、“自分たちは1つのチームなんだ”という意識を持ってやろう」と話があった。ウォーミングアップでは早速メンバーの元気な声が体育館に響いた。と思うと、成功した人から抜けていくメニューでは、失敗してしまった選手に「ドンマイ、集中しよう」と声を掛け合う場面も。コミュニケーションも深まり、“チーム”らしさが見られるようになってきた。この後のディフェンス練習でも、「1番大事なのはコミュニケーション」と富樫コーチが言うと、コート内外で声を掛け合う姿があった。 “頭を使ったバスケ”にステップアップ 第1回トップエンデバーでは基本練習が中心だったが、今回はステップアップ。2メンでも前回の復習をした後、コーチ達が3箇所にディフェンスとして立った。すると、途端にスピードダウン。徐々に慣れ出し、最後は皆川選手のダンクも飛び出したものの、その後のスクリーンアウトドリルやディフェンスローテーションでは対応に苦戦していた。「始まりの合図はこう。1回終わったら次はこれ。3回やったら交代。交代したらこの順番で回る」と富樫コーチが指示をするも、判断が1テンポ遅れたり、忘れてしまったり。「これがハビット(習慣という意味)スポーツ」と富樫コーチ。今日、明日、明後日と続けていくことで、身に付けるしかない。 世界を意識して 富樫コーチはスクリーンアウトドリルの前に、「ゲームの中でリバウンドがどれだけ大事かわかるね?」と一言。4on4ラリーのときにも、「行きもブレイク、帰りもブレイク!小さいから走るしかないんだよ」とアドバイスしていた。先述の“頭を使ったバスケ”も“走る”ということも、日本のこれからを担っていくためには大切なキーワードになる。普段なら能力やサイズでカバーできてしまうこともあるだろうが、トップエンデバー、その先の国際試合ではそうはいかないのだ。この慣れない“考えるバスケ”にメンバーは体力も奪われ、練習の後半は休憩を多く入れたものの疲れが見て取れた。しかし、富樫コーチは「バスケットでは走れない選手は使えません」ときっぱり。チームではエースとして試合にフル出場するために無意識にペース配分をしてきただろうメンバーに、残り3日間で“限界を超える”というミッションが課せられた。 富樫コーチのコメント この第2回トップエンデバーは、来年以降のことも視野に入れてより実戦的に、ゲームを中心に行う予定です。15名は、高い能力を持っている選手、特にエンデバーの趣旨に基づき将来性を兼ね備えた選手を選びました。今までのように個々の能力を生かしつつ、チームプレーもできるようになってほしいと思っています。コンセプトは“頭を使うバスケット”。日本の選手は世界に出るとどうしても体格的に劣るので、頭を使ったプレーを身に着けないと戦えません。今日、頭を使った練習をしたときはさすがに動きが鈍くなってしまっていましたが、まじめさ、正確さ、緻密さといった特長を生かして海外のチームと戦えるよう、明日からもどんどん頭を使うプレーを行っていきます。
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