最後まで楽しく、厳しく! 最終日の練習もU-15トップエンデバーの考え方の説明から始まった。「【スキル+心(ハート)=パフォーマンス】。【能力×姿勢×考え方=クリエイティブ】。特にこの『姿勢』と『考え方』は自分次第で変えられることだよ。トップエンデバーの選手こそ、そこを考えてプレイしてほしい」と鷲野コーチ。そこからウォーミングアップを兼ねたシュートドリルに入る。3日目にもなると選手たちも慣れてきて、スムーズにシュートドリルに入っていったが、すぐに鷲野コーチからストップがかかった。「昨日までやったシェービングやステップインを取り入れよう。昨日までの練習を意識しながらウォーミングアップをやろう。意識の量で結果に差が出るよ」と一喝。慣れてくるとつい流してしまいがちなところを、最終日であっても、最後まで気を抜かないようにコーチングスタッフは目を光らせていたのだ。 そして練習の最後は、やはりゲーム。昨日までは2年生が軽快な動きを見せていたが、最終日の今日は、3日間の練習で引退して体を動かしていなかった3年生たちがキレを取り戻してきた。決めるべきシュートをきっちり決めて、今日の練習でもやっていた「人と合わせるプレイ」を随所に出していた。試合の結果はともかく、選手たちは最後まで自分の持ち味を存分に発揮しているようだ。 U-15の卒業生登場! ゲーム形式前の休憩時間に体育館のドアが開くと、選手たちから「お〜っ」と驚きの喚声が上がった。昨日、一昨日と三重県でWリーグの開幕戦を戦っていたJOMOサンフラワーズの内海亮子選手、諏訪裕美選手、吉田亜沙美選手が入ってきたのだ。3選手はともにU-15トップエンデバーの卒業生。諏訪選手は当時をこう振り返ってくれた。「鷲野コーチがホワイトボードに書いていることがまったくわからなかった記憶があります。なんか場違いな感じがして、そのときのメンバーは池住(美穂・シャンソン化粧品)や内海たちで、すごい選手の中に私だけ素人がひとりいるみたいで…帰りの電車の中で泣きましたもん。次の合宿には来たくないって」。今となっては笑い話だが、それから7年――諏訪選手を含めてこの3人は全員日本代表メンバーに入っている。さらにゲーム中には大神雄子選手も登場。トップエンデバーではなかったが、大神選手の代からU-15はスタートしている。「私が1期生ですから! ここまで来れたのはU-15のおかげです」と、お世話になったコーチに挨拶をしていた。 継続する努力 最後に行なわれた閉講式ではまず福田スーパーバイザーが「次回1月の合宿はこの30人から15人に絞られて行なわれます。もし外れたとしても、継続した努力を続けてください。そして世界に通じる選手になってほしい」と挨拶。次に体育館を提供してくださったジャパンエナジーの高橋雅弘氏から「みなさんは、今東京に誘致を計画している2016年のオリンピックくらいから日本代表になる可能性を持っています。今のような純な気持ちで、自分のバスケットを続けてください」とエールが贈られた。そして最後はやっぱり鷲野コーチ。「Play Hard! 楽しく一生懸命ということをちょっとでも頭に入れて、これからも頑張ってください。みなさんはバスケットが大好きな小・中学生の“夢”なんです。今回はここでお別れですが、みんなに出会えた喜びを大切にしましょう」と締めくくった。その後昼食を摂った選手、スタッフたちは、午後1時すぎ、3日間の日程をすべて終えて、帰路へと着いた。
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