あくまでも、U-15らしく! 8:35、鷲野コーチが選手たちに集合をかけた。練習開始予定は9:00なので、前倒しで練習を始めるのかと思ったら、そうではないらしい。緊張の初日を終えたからこそ、再度気を引き締めるために「U-15としてのあり方」を説いていたのである。「U-15を始めたおかげで中学生の技術は確かに発展しているけど、中学生として守らなきゃいけないこともあるよ。それは中学生として判断力や我慢する力を育てることなんだけど、みんなはそれを大好きなバスケットで身につけられる。そのことを自覚して、今日も頑張ろう!」。ナショナルトレーニングセンターで合宿ができ、隣にはU-18女子日本代表がいる。そのことに浮つかないよう、鷲野コーチは練習前に選手たちを集めたわけである。果たして、選手たちの顔もきりっと引き締まって、いい緊張感で練習を開始できていた。 ポジション別の練習で、スキルアップ! 午前の練習は主にポジション別に別れての練習となった。ガード、フォワード組は鷲野コーチ指揮のもと、チームとしての基本的なムービング「フィギュア・エイト」を教わった。これはスクリーンプレイのそれではなく、コートを縦に5分割し、そのなかを「8の字」に動きながらパスを回していくものだ。基本的な動きはあるのだが、一番のポイントは「観る」こと。観て、待って、タイミングを計るパッシングの練習である。「みんなにはドリブルをする力がある。それに観る力が加わったら、もっとよくなるぞ」と鷲野コーチ。最初はうまくできなかった選手たちも、考え方を理解して、プレイがうまくいくと、徐々に笑顔が出てくるようになっていた。 センター陣は昨日に引き続き、金子寛治・特別コーチの指導を受けた。昨日やったセンターのムーブを徹底的に復習したあと、ハイポストへのフラッシュからのプレイも教わっていた。バックドア、バックドアから逆サイドに展開して1対1など、これまでやったことのないようなプレイを紹介されて、選手たちは嬉々としていた。「インサイドが中心になれないと試合には勝てないよ」という金子特別コーチの言葉に、選手たちはさらに力が入っていたようだ。 U-18女子日本代表とのスクリメージ 午後は、隣のコートで練習をしているU-18女子日本代表とスクリメージを「8分×3本」行った。結果としては3本とも完敗だったが、これまで練習でやってきたプレイを何度も出そうとしていたし、高校生を相手に、たとえ跳ね返されようとも果敢に攻めていく姿は印象的だった。一色建志U-18女子日本代表ヘッドコーチも「チームとしてはまだまだのところが多いけど、向かってくる姿勢など、いい印象を持ちました」と賞賛していた。高さ、強さ、スピード、スタミナ。どれをとってもU-18の選手には敵わなかったが、これから彼女たちが戦っていく舞台を思えば、1つの判断基準を見つけられたはずである。そういう意味ではいい経験ができたといえるだろう。 五十嵐克之コーチのコメント チームとして少しずつ機能し始めているなと思うのですが、まだまだスタートしたばかりなので、センター同士の絡みや、センターとアウトサイドのコンビネーションなどはこれからかなと思っています。その一方で、一人ひとりが自分のポジション的な長所を見つけてきたようなので、そういった部分では明日が楽しみです。今日、U-18女子日本代表とスクリメージをさせていただきましたが、そこで感じたのは、ああいった強い相手に対して逃げずに立ち向かっていかなければいけないということが1つ。そして、チームとしての声。「1本守ろう」とか「ここで1本攻めよう」といった声掛けがみんなできれば、もっといいチームになると思いました。明日はそういった「私たちはこのチームで頑張っていくんだよ」という雰囲気が出せるようにアドバイスをしていきたいと思います。
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