日本のトップアスリートのための施設・味の素ナショナルトレセンに集合! 初の試みとなった新潟での第1回男子U-15トップエンデバーを経て、15人が東京の味の素ナショナルトレーニングセンターに集合した。1ヶ月半ぶりに再会したメンバーは半分に減っている。小倉恭志スーパーバイザーも開講式にて「この施設は各競技のトップ選手が利用しますが、皆さんもバスケットを代表する人という見られ方をします」と改めて自覚ある行動を求めた。 もちろんコート上でも、「大和魂を込める」など第1回トップエンデバーでやってきたことがどれくらい身に付いているかを、この3日間で見られることになる。それはこのエンデバーの活動が、参加選手・参加コーチを通して各地域にどれだけ浸透したかと同じ意味になると言える。参加選手の身になっていなければ、普及していくことはできないからだ。こうしてオンコート・オフコートとも、“トップ”として臨む3日間がスタートした。 基本的なことをしっかりと 1日目のコーチングを担当した高橋学コーチは、まず「前回の練習で1番印象に残っていることは?」と問いかけた。「声」や「切り替えの早さ」などが挙がったのを受け、「全てはその延長線上にあります。今からやることは“こんなのできる”と思うでしょうが、それをどれだけ正確に継続できるかが大事」と語りかけた。そのコンセプトのもと、ドリブル時の視野やパワーポジションなどを時間をかけて確認していった。 さらに、ミートドリルでは、基本のもらい方をやった後に、「厳しいマークが来たときは…」と応用編が続いた。どれだけ想像力を働かせ、最適な判断をしていくかがポイントになる。いざやってみるとトラベリングなどミスも見られたが、メンバー同士で教え合うなどして対応していた。第1回トップエンデバーでは見られなかった場面だ。しかし、練習後には小倉スーパーバイザーから「毎年見ているが今年の雰囲気はまだまだ。苦しいときこそ声を出そう!」とアドバイスがあった。“全国の中学生を代表する15人”として、2日目の練習ではどう対応するかを問われてのしめくくりとなった。 <星川 精豪トレーナーのコメント> エンデバーには技術やその練習方法を全国に普及させるという役割があります。今回はそれに加えて今後の強化活動にもスムーズにつなげていけるように、最初に走らせて身体に負荷をかけた状態からどれだけ頑張れるかや、そのためにはどんな技術が必要かも見られるようなメニュー構成にしました。最初の2往復半ダッシュを見ると、第1回トップエンデバーのときよりは走れているなと感じました。中学生は引退した後ですから、何もしていなければさらに走れなくなるはずです。最後にやったプッシュアップ(腕立て伏せ)も、率直に言えばもう少しできてほしいですが、フォームはかなりよくなっていました。それぞれ与えた宿題なりをしっかりやってきてくれたのではないでしょうか。それが本当にわかるのは明日のマルチステージテストですね。 トレーニング自体は、バスケットを続ける限りずっと続いていきます。ではこの世代で1番大事なものは何かと言うと、モラルなんです。スタートのラインを守るとか、挨拶がしっかりできることも含まれます。それが、正しいフォームでトレーニングできるというスキルにつながるんです。フォームがしっかりできていればあとは回数を伸ばしていけばいいので、変なフォームにならないよう、今のうちにとしっかり身体で覚えて欲しいと考えています。また、11月初めにU-16男子日本代表が参加した第2回ノキア フィリピン ユース インビテーショナル選手権大会にも同行しましたが、同じ土俵に立てていない状態が多々見られました。日本の同年代の中では簡単に出来てしまいますが、国際大会では台形の中に入れないんです。それを考えると、今後のためにも今からやらないと間に合わないと思います。トレーナーがついている中学のチームはほとんどないのが現状なので、今回のエンデバーでトレーニングに興味を持ってくれるといいなと思います。
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