地元中学生にも刺激を与える新潟でのトップエンデバー 平成21年度の女子トップエンデバー第2回合宿は、NHKの大河ドラマ「天地人」の舞台でもある新潟県で開催された。これは、現在行われている国民体育大会との共同イベント事業の一環として行われることになったものだ。女子の初日の練習会場は、新潟市立舟栄中学校。昨年建て替えられたばかりのキレイな体育館で、U-15女子トップエンデバーに選ばれた15人は、ときに厳しく、ときに笑いがおこるような絶妙な雰囲気の中で練習に取り組んでいた。日本のトップクラスの中学生が来るということで、舟栄中学校の女子バスケット部の選手6人も、2階からビデオを撮ったり、チームの動きをメモしながら、熱い視線をコートに送っていた。同チームの星野由実監督も「刺激になると思います」と言っていた。初の地方開催となったトップエンデバーだが、同年代の選手たちに刺激を与えて、よりバスケットを普及させる大きな第一歩となった。 誇りと自信と責任と 練習に先だって行われた開講式では、福田悦男スーパーバイザーから「皆さんは30人から15人に選ばれた選手です。その誇りと自信と責任を持って、この合宿に臨んでください。今回は異例のゲームが続きますが、ケガのないように、そしてチームとして合宿を終えられるように頑張ってください」とエールが送られた。また女子U-16日本代表チームの福田精スーパーバイザーからは「先日、FIBAアジア選手権で女子日本代表チームが3位になり、世界選手権大会の出場権を獲得しました。みなさんも、彼女たちのようなすばらしい選手になれる可能性を持っているので、みなさんの活躍を見守ります」と温かい声がかけられた。U-15トップエンデバーで学んだことが、将来的に日本のバスケットの発展につながる。選手たちの表情も一段と引き締まったようだ。 ウォーミングアップで、いきなりの雷? 練習ではまず、清水結トレーナーのもとでウォーミングアップが開始された。その内容は、日本代表チームのウォーミングアップと同じで、前回の合宿でもやっているもの。しかし、選手たちはすっかり忘れてしまっている。3日間の合宿で覚えることは確かに難しいことだが、それでもあえて鷲野コーチは厳しくこう言い放った。「ウォーミングアップは日本代表でもまるっきり同じメニューをやっている。すなわち、U-15トップエンデバーから日本代表まで一貫性を示すものだ。みんなの年代から体のケアをしっかりすること、つまりは自覚ということになる。このウォーミングアップはしっかり覚えよう!」。15人に選ばれた安心感で少し気が緩みそうだった合宿の序盤でこの小さな雷が落ちたことは、その後の練習に熱を帯びさせるのに十分なものだった。 福田悦男スーパーバイザーのコメント 今年の選手たちは、各ポジションでそれぞれの役割を果たす力があり、スクリメージをやってみても、チーム全体の機能をそれぞれ把握した上で、自らの役割を全うすることが出来ます。今回はそこからさらに選ばれた15人ですから、やはり精錬されているメンバーだなと感じます。ただ、今回の合宿では異例の試合があります。開講式で「チームとして」と言いましたが、エンデバーとしては今までとは違う形ですから、選手もスタッフもなかなか難しいと思います。逆にいえば、そういう選抜チームとして試合をする機会を得たということで、違った意味でおもしろいかもしれません。選手たちにも、今回のトップエンデバーはそういう意識でプレイしてもらいたいと思っています。
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