ベテランコーチからの鋭い一言 このU-18エンデバーには、榎本日出夫氏、佐藤久夫氏、長谷川健志氏といった、日本のバスケットを牽引してきた指導者がエンデバーコーチングスタッフとして参加している。この最終日には、その3人からはっとするような言葉が飛び出した。まず、佐藤ECSは、アップのダッシュを見て、「隣の人が力を抜いているから自分も、と流されるのは絶対にいけない。君達は、サボり方も最高にわかっているだろう」と一言。静かな口調だったが、その瞬間空気が引き締まった。 一方、榎本ECSは2on2や3on3の様子を見て、「ミスの後“ごめん!”という声が全くない。3日間も一緒にいるのに言いたいことを言い合っていない」と訴えた。しかし、なかなか声が出せないメンバーに、「そんなに難しいことではないはず。誰かが出してくれると思っているから出ない。自分のやることは自分で決めなければ」と長谷川ECS。力のある言葉は、印象に深く残ったはず。すぐに応えられなくても、チームに帰ってからも思い出してほしいことばかりだった。 責任と自信が選手を伸ばす! 最終日だからとゲームのみで終わるのではなく、アウトナンバーの応用編として4on3、また2on2や3on3も様々なパターンが伝えられていった。とくに3on3で重要になったのはセンターポジションの選手の動き。周りの選手がそのサイズを生かせるようアシストするだけでなく、自身が積極的に参加することも重要。「自信を持とう!」など、コーチ陣がとにかく声掛けしていくと、最後のゲームでは動きが見違えるようによくなっていた。ここで気付いた自分の力を、所属チームで伸ばす努力をしてこそエンデバーの意味がある。このメンバーの成長ぶりを見守ってほしい。 古田厚司コーチのコメント 今年度のトップエンデバーのメンバーは、例年と比べるとサイズが大きいという第一印象でしたが、身のこなしなど技術の細かい部分を突き詰めると、まだ課題もあるという感想です。さらに、メンタル・姿勢の部分では、高校生らしさもありつつ、一方で大人の考え方を持っている部分もある。練習の中でも、指示をぱっと理解して表現できるメンバーもいれば、頭ではわかっているが出せないメンバーもいました。やはり、心・技・体の3つがバランスよく培われてこそ、育成といえるのではないかと改めて感じました。 そう考えると、トップエンデバーは、メンバーにとってきっかけの場だったと思います。この3日間で感じたことをそれぞれ持ち帰ってその後どうなるか。半年先、1年先、もっと将来…と変わっていってくれるだろうと期待しています。今回、多数のコーチが参加し、コーチの数だけ指導方法がありどれが正しくてどれが間違っているではないなと感じましたが、選手にとっても得るものは選手の数だけ、1人ずつ違うはずです。それを今後いろいろな場面で生かしてほしいと思っています。
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