今年も開講! U-18女子トップエンデバー 今年もU-18トップエンデバーの季節がやってきた。昨年に比べると、渡嘉敷来夢選手や篠原恵選手といったビッグウーマンが少ない分、多少、サイズの小ささが目につくものの、昨年の「第1回FIBAアジアU-16女子アジア選手権大会」を2位で勝ち抜いたメンバーも名を連ねており、全体のレベルはけっして低くない。練習に先だっておこなわれた開講式では、荒順一女子強化部長が「みなさんの世代は、2016年のリオ・デ・ジャネイロオリンピックを背負う世代です。この合宿に来て、みなさんを支えてくれるスタッフの期待に応えるためにも、日本のトップへの成長してほしい」とエールが贈られた。1人の欠席者を除いた33名が、その言葉に真剣に耳を傾け、ほどよい緊張とともに平成21年度U-18女子トップエンデバーがスタートした。 遠慮? 緊張? 静かな立ち上がり 練習の始まりは、全員で円陣を組んでの声出しから。誰がキャプテンというものではないので、最初の声出し係がなかなか決まらない。結局、外山優子選手が「1,2,3」と声をかけ、全員が「オーッ!」となるのだが、その「1,2,3」までに要した時間は――4分。中川菜保トレーナーのウォーミングアップが始まっても、ほとんど声は出ず。出ても単発。これがU-15だったら、コーチから「声が出てない!」と言われるのだが、高校生になると、コーチもそういうことをあえて言わない。15分くらい経過した、最後のダッシュになって、ようやく声が出始めた。沈黙を破ったのは、最年少、中学2年の馬瓜エブリン選手。遠慮なのか、緊張なのか…はたまた、単に恥ずかしいだけなのか。初日は静かな始まりとなったが、さて、明日以降はどうなるだろうか。 「タイミング」を強調 初日の練習は、基本的な空動き(ディフェンスをつけずに動く練習)が大半を占めた。片サイドでの3人の動き…フラッシュ・バックドアや、UCLAカットなどをしたあと、そこから逆サイドに展開するプレイに発展。練習を主導していた梅嵜英毅コーチからは「タイミングよく動こう。パスもタイミングよく出そう」と声がかかる。萩原美樹子サポートスタッフや高橋仁サポートスタッフなども積極的にディフェンス役やスクリーナー役で練習に加わり、「遅い!」「今、動こう!」などと声をかけていた。日本人に合った緻密なバスケットを展開する上では、タイミングを合わせることは必須。今回のトップエンデバーの大きなテーマになりそうだ。 萩原美樹子サポートスタッフのコメント U-18トップエンデバーの選手たちは上手です。個人技術がしっかりしているし、今日は2対2などのベーシックな動きをしましたが、トップのレベルの選手たちなので、こちらが言っていることの次の次まで理解してやっているんです。ただ、今日見ていて感じたのは、スクリーンの使い方の細かさなどは、あまり徹底されていない気がしました。またパスのタイミングだとか、あるいはディフェンスがいなくても、ディフェンスがいることを想定できて、たとえばチェストパスでは通らないから、オーバーヘッドのジャンプパスだとか、そういった細かさまで教えることができたらいいなと思いました。スクリーンでも、タイミングのいいスクリーンだったら、1つのスクリーンでシュートまで行けるのだけど、タイミングが合ってないから、何度もスクリーンをかけて、結局時間切れということもあったので、そういう点を明日以降、伝えられたらいいなと思っています。 世界で戦っていくためには、そういった緻密な部分が重要になります。一瞬遅いことでできること、逆に一瞬遅いことでできないことが実際に起こりうるので、そういった部分の理解を深めてほしいと思います。また、今日の最初にやったドライブからのシュートでもわかるとおり、世界では当たりが強くなります。国内では一歩でレイアップシュートに行けるところを、国際試合ではパワーレイアップシュートみたいに、踏ん張ってシュートにいかなければいけない。そういう世界との差みたいなことは、U-18トップエンデバーでしっかりと教えるべきことだなと感じました。
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