またも… 合宿2日目ともなると、一晩一緒に過ごしたこともあり、徐々に選手間のコミュニケーションがしっかり取れ始めてきた。練習前のフリーアップで談笑しているシーンを見ると、それを強く感じることができる。しかし、練習が始まると一転…なかなか声が出ない。練習を見ていた星澤純一サポートスタッフは「ディフェンスなんて声を出さないとできないわけだから、これじゃ…」と呆れ顔。といって、それを選手に伝えるわけでもない。要は自分たちで感じて、それを自分たちから実践しないと本物にはなれないということだ。今日のウォーミングアップも、最初に声を出したのは中学2年の馬瓜エブリン選手。彼女の場合は、ディフェンスと声の関係を思っての声出しではないかもしれないが、それに引っ張られて声を出し始める先輩たち。明日の最終日に爆発することを期待したい。 日本がすべきこと 昨日の復習を終えると、午前中の後半と、午後の練習はゲームが中心となった。それぞれのチームに分かれた選手は、個々の持ち味を存分に出そうとしていた。しかし、星澤サポートスタッフの目は厳しい。「昨日からやっていることが出ていない。コーチの要求に対応できるかどうかを今(エンデバー)のうちに鍛えておくことが今後の強化(つまりはU-18日本代表)につながるのに。ゲームになると、みんな、自分のチームのプレイになってしまう。練習したプレイの中でも、自分のプレイは出せるはずなんだが…」。言われたことをそのままやるだけでは意味がない。かといって、それをまったくやらないのも意味がない。そのバランスをU-18トップエンデバークラスであれば、考えなければいけないというわけだ。エンデバーは育成プログラムだが、どこに向かって育成をしているかといえば、強化の面とは切っても切り離せない。午後の試合では、練習でやっていたプレイがいくつか見られたので、明日以降、もっと日本がすべきプレイが出てくるはずだ。 梅嵜英毅コーチングスタッフのコメント サイズは昨年が大きかったので、それに比べると小さいのですが、個々の能力はそれなりにいいものを持っているように思います。昨日、今日と私が主導で練習メニューを組みましたが、意図としては、日本女子の確率のいい外角シュートを生かすためのモーションの動きを説明し、今日の5対5に使えればいいなと思っていました。特別難しい動きではなく、基本的なモーションの動きです。ただし、いくらモーションオフェンスができても、パスが弱いと、海外の相手は背が高かったり、手が長かったりするので、カットされてしまいます。そういう意味でも、強いパスを意識してもらうこと、スクリーンをしっかりかけることを強調しました。あとはタイミングも大切です。日本の外角シュートは生命線なので、パスを出す側と、受ける側がしっかりとタイミングを合わせることも重要だと思っています。そこは育成のエンデバーであっても、強化であっても変わらない部分だと思っています。 実際に練習を見ていると、タイミングの取り方などは上手です。ただ、最近はシューターらしいシューターがいないなぁという感想を持っています。でも、繰り返しになりますけど、外角のシュートが決まっていかないと日本が世界で戦うのは苦しい。リバウンドも、昨年の渡嘉敷来夢選手や篠原恵選手たちのように取れるかといったら、難しいのが現状ですから、決めるところを決めないと勝てません。これはトップエンデバーに限らず、どの世代もミドルシュート、3ポイントシュートをきちんと決めていくことが必要だなと感じています。特に女子は、常に世界を目指せるチャンスがあるので、アジアで勝って、世界に行って、経験してもらいたいですね。それが日本代表のオリンピック出場にもつながっていくわけですから。そういう意味でも、常に世界を目指そうということでやっていってほしいと思います。
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